ノロウイルスによって実際に死に至ることはありませんが、「死を覚悟した」「死ぬほどの苦しみを味わった」と語る患者さんが多い病気でもあります。
新型ノロウイルスに感染した場合、数時間から数日(平均1-2日)で以下のような症状が現れます。
[激しい吐き気、嘔吐]
吐き気や嘔吐が一日数回から、ひどい時は十回以上起こります。嘔吐の数時間前に胃もたれや胃部の膨張感がみられることもありますが、ほとんどの場合が突発的な吐き気・嘔吐に襲われます。嘔吐物を喉につめて窒息するケースもあるので十分に注意しましょう。
[激しい腹痛、下痢]
激しく頻繁な下痢症状が現れますが、便に血液が混じるようなことはありません。[悪寒]
発熱に伴う悪寒(寒気)もノロウイルス感染の症状のひとつです。[発熱(38℃程度)]
ノロウイルスに感染した場合の発熱は38℃程度と、あまり高熱にならないのが特徴です。この他、ノロウイルス感染症は、まれにではありますが、十二指腸潰瘍を併発することがあります。
ノロウイルス感染によるこれらの症状は、2〜3日程度で自然に治まり、後遺症が残ることもありません。
死亡事例としても、喉に嘔吐物を詰まらせたことによる窒息例など数例あるのみです。
ノロウイルスに感染しても症状が現れないまま終わるケースや、嘔吐や下痢などの症状が出ず、ただの風邪だと認識されるケースもあります。
しかし、こうした大きな症状が認められない場合でも、他人への感染力はあるため、ノロウイルス感染の拡大防止のために細心の注意を払うことが必要となります。
感染者の症状が治まった後も、ノロウイルスは1〜3週間かけて感染者の便から排出され続けるからです。