新型ノロウィルスと旧型ノロウィルス
非細菌性急性胃腸炎の原因となるウイルスの一種であるノロウイルス。2012年末には2006年に大流行したウイルスから変異した「新型ノロウイルス」が確認されました。
ノロウイルスの特徴としては、感染力が強いこと、わずかな量のウイルスでも感染すること、感染から発病までの期間(潜伏期間)が10数時間から数日と短いことなどが挙げられます。
ノロウイルスは、遺伝子の違いによって40種類以上に分類されており、変異する場合があります。
2006年に流行したノロウイルスは「G24(G㈼/4)」と呼ばれるタイプのウイルスでしたが、(G㈼/4)型ノロウイルスには、他のノロウイルスに比べて変異しやすいという特徴があり、現在も毎年のように変異を繰り返しています。また、他のノロウイルスよりも感染力が強いこともその特徴の一つです。
2012年の10月以降に全国で大流行したのはこの変異株となる新型ノロウイルスで、変異によってウイルス粒子の表面の腸管細胞に付着する部分が変化し、消化器官に付着しやすくなったことが、新型ノロウイルスの大流行を引き起こしたと考えられています。
日本で新型ノロウイルスが最初に見つかったのは2012年1月で、北海道と大阪で確認されました。
ちなみに、新型ノロウイルスが世界で最初に発見されたのはオーストラリアで、「シドニー2012」と名づけられています。
その後、世界中でも流行し、例えばイギリスでは、例年のペースを60%以上も上回る大流行となりました。
新型ノロウイルスの症状は、従来型と大きな違いはなく、予防法や対処法もさほど変わりはありませんが、健康な成人でも胃腸炎を起こしやすいという傾向が指摘されています。